不安を煽る指導
6月10日
先日、職業体験ということで中・高校生6人をつれて東京・原宿へいってきた。そのなかの一人が自立するという課題と向き合ったのか多少不安定になった。
児童養護施設は18歳までの施設(特別な事由があれば20歳まで可能だが)。高卒と同時にその能力に関係なく自立を強いられる。
だから年長児への指導は、この事実を突きつけながら行うことが多い。「そんなんじゃ施設を出たらやっていけないよ」、「退所後のことを考えたら今必要なことは何?」といった感じで。つまり、それでなくとも不安なのにそれを煽る形で指導がなされる。長く現場にいると当たり前のことになってしまっているし、しかたのないことだが。
不安への対処方法は二つ。回避するかあるいは向き合うか。向き合うにはそれなりのエネルギーが必要だしサポートも必要だ。人は「過去」の体験から「未来」を推し量る。過去にいい思い出のない人にとって、未来を推し量れば不安は募るばかりだ。だから、その不安を煽るような指導では、向き合うどころか回避(逃避)するだけだろう。まるで刃物を持った暴漢から逃げ惑うように。逃げるだけでへとへとになってしまっているようだ。
「過去」は変えることができない。ならばもっと「現在」に目を向けた援助が必要だろう。現在ある課題に向き合って不安定になっているとき、「将来、もっともっとたいへんなことがあるのに、そんなことぐらいでいじけていてどうするんだ」としばしば叱咤することがある。でもそんな言葉で発奮した子どもを私は知らない。
現在子どもが苦しいと感じていることに共感し、一緒に解決していくような援助が大切だ。そして子どもは「現在」をしっかり生きていく。現在はいずれ過去になり、現在の積み重ねが未来へと繋がるのだから。
自戒を込めて
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